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Lee-Byung-hun addicted

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Fly me to the Paris<1>

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2007/03/15

「全く・・・何が事務所の経費が足りなくてコーディネーターが雇えないなのよ。
ちゃんと立派なコーディネーターが二人も同行するって今日になって聞いたって・・・・」

揺はカップのカフェオレに砂糖を入れて混ぜながらビョンホンを睨んだ。

当のビョンホンは知らん顔でハンバーガーをぱくついている。

「やっぱやめておくか・・」

彼は一口食べて名残惜しそうにハンバーガーをテーブルに戻した。
そして悲しそうにハンバーガーを見つめている。

「食べればいいじゃない。
一個ぐらい食べたって変わらないって。
これからハードスケジュールなんだし。
痩せてると寒さが堪えるわよ。本当に辛いから。
せめてフランスに行っている間だけでも食べたら?」

揺はそういうと彼がテーブルに置いたハンバーガーを彼に差し出した。

「いい。いらない」
ふてくされたように彼は横を向いた。

「もう・・・強情っぱりなんだから」
揺はイライラしたようにいうと手に持っていたハンバーガーをパクッとかじった。
「あ・・」
ちょっと慌てた彼の口に揺はピクルスかけらを押し入れた。
そして呆れたように笑う。

3月15日 仁川空港 での飛行機の待ち時間。
ビョンホンと揺は空港の隅にあるカフェテリアで時間を潰していた。

「だって・・ただ一緒に行こうって言ったら
『仕事の邪魔したくないわ』とか言ってお前絶対来ないだろ。
調子も良さそうだしさ・・・
気分転換にいいかと思って。」

ビョンホンは上目遣いでそういいながら
名残惜しそうにハンバーガーの包んであった紙をいじっている。

「気持ちは嬉しいけど・・・。
行って私でも役に立てるならって思ってきたけどさぁ・・。
行っても仕事はなさそうだし。
かえって気を使ってもらうのが申し訳ないわよ。
こうなったら全く別行動ね。」

「何でだよ。同じパリに行くのに。
ずっと一緒にいればいいじゃないか。
どうして揺はそうやってすぐひとりになろうとするんだよ。
あ・・・足が痛い・・・」

「嫌だ・・なんでかしら。
寒いからかな。
冷えたら痛むわよね。
この時期パリ寒いからな・・
やっぱりギプスつけてくれば良かったんじゃない?」

心配した揺はしゃがみこんで彼の足をさすっている。

そんな揺の姿を見ながら彼は気づかれないようにニヤッと笑った。

「やっぱり揺がついていてくれないと・・・。足が心配だから。」

「はぁ・・・・そうね。わかった。
でもあんまり表には出ないわよ。
具合でも悪くなって皆に迷惑かけたら目も当てられないわ。
それでいい?」

揺は仕方なさそうにため息を吐きながらそういった。

「うん。わかった。揺がいてくれれば何でもいいよ」

彼はそういってにっこりと笑った。

「そんな・・・素直に笑って言われちゃったら・・・もうっ!」

揺は恥ずかしがりながら彼の足を叩いた。

「痛いっ!揺、それ折れてる足」



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